辞典
紫微斗数(しびとすう)は、生まれた年・月・日・時刻から「命盤(めいばん)」という一枚の星図を組み立て、そこに置かれた星々の配置からその人の性質や人生の傾向を読み解く、東洋の占星術です。名前の由来である紫微星は「帝の星」とも呼ばれ、北極星を象徴とする中心の星。紫微をはじめとする十四の主星と多くの補助星が、人生の十二の領域(十二宮)に散らばり、その組み合わせが一人ひとり異なる物語を描きます。同じ配置の盤は、おおよそ数万人にひとりとも言われる精密さです。
成立の伝承は、宋の時代の道士・陳希夷(ちんきい)に仮託されることが多いものの、実際の起源には諸説があります。確かなのは、明の時代に『紫微斗数全書』などの書物としてまとめられ、体系的な技法として伝わってきたことです。その後、台湾や香港を中心に研究と実践が重ねられ、現代では東アジアで最も広く用いられる命術のひとつになりました。日本へは近代以降に紹介され、いまも研究が続いています。
同じく生年月日時を使う四柱推命は、干支の五行の生剋(相性)を計算して読む「気の力学」の術です。いっぽう紫微斗数は、星曜(せいよう)という象徴を宮に配置し、その「絵柄」を読む術。紫微は帝、天機は知恵者、貪狼は欲望と魅力——星それぞれに人格的なイメージがあり、盤面がそのまま登場人物の揃った舞台のように読めるのが特徴です。また出生時刻が盤全体の配置を決めるため、時刻の持つ意味がとりわけ大きい術でもあります。
長い歴史の中で、星の吉凶と組み合わせを重視する三合派、宮どうしの気の流れ(四化)を追う飛星派・欽天四化派など、いくつもの流派が育ちました。流派によって四化の割り当てや安星の細部が異なり、同じ生年月日でも解釈に幅が出ます。本アプリは広く用いられる標準の設定を既定としつつ、設定画面で流派差のある項目を切り替えられるようにしています。どの流派も「当てる」ことより「読み解く」ことを大切にしてきた点は共通です。
成立史には諸説があります。本アプリの解釈・設定は「格局」「主星」の各項もあわせてご覧ください。

